当院での白内障手術について
当院では全ての手術を日帰りで実施しています。
状態にもよりますがおおむね5〜10分程の手術となります。局所麻酔をかけますので手術中に痛みを感じることはほとんどありません。より安全で負担の少ない手術を受けていただけるよう、大学病院と同レベルの清浄度のクリーンな手術室で、最新の手術機器を用いて手術を行います。
保険適応の単焦点レンズだけではなく、選定療養となる多焦点眼内レンズにも対応しており、一人一人の患者さまに丁寧なカウンセリングを行うことで最適なレンズを選択いただけるよう心がけています。
白内障とは
白内障は水晶体が濁ってしまう事により発症する病気です。水晶体はカメラのレンズのようなピントを合わせる役割を担っており、この水晶体が濁ることで集めた光がうまく眼底に届かなくなり、視界がかすむ、光を眩しく感じるようになったりといった症状が現れ、徐々に視力が低下していきます。
水晶体の濁り方はひとりひとり違うため症状は様々です。
白内障の症状
- 目がかすむ
- 視界がぼやける
- 視界が暗く感じる
- 視力が落ちる
- 光がまぶしい等
白内障の原因
原因は様々ですが、多くは加齢によるもので個人差はありますが誰でも年をとるにつれ水晶体が濁っていき、高齢の人ほど多く発症します。
加齢による場合は自覚症状を感じにくく、ゆっくりと進行していくためある程度進行してしまってから発見されるケースも少なくありません。
白内障手術
日常生活に支障がなければ、点眼薬などで白内障の進行を遅らせる事ができますが、これは症状の改善や視力が回復するものではありません。また日常の生活に支障をきたす場合は外科的手術を行います。
この手術では濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、代わりの人工水晶体となる眼内レンズを挿入します。
目の状態など個人差はありますがおおよそ5分~10分位の手術時間と短く、局所麻酔によってほとんど痛みはありません。当院では日帰り白内障手術に対応しておりますので、翌日から普段通りの生活を送る事ができます。
術後はリカバリー室にてお休みいただきふらつきなどがなくなったらお帰りいただけます。
その後は術後の目の状態をみるため通院が必要となります。
眼内レンズについて
眼内レンズは白内障手術時に濁った水晶体の代わりに挿入する人工の水晶体です。
眼内レンズには単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。
単焦点眼内レンズはピントが合っているところは良く見えますがそれ以外の距離はピントが合わないので眼鏡が必要になります。
遠くにピントを合わせた場合は近くが見えにくく、近くにピントを合わせた場合は遠くが見えにくくなります。
多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズと違い、遠距離・中間距離・近距離など複数の位置に焦点が合います。よって遠くの景色にも近くのモノにもピントが合うようになります。
多焦点眼内レンズの特徴
多焦点眼内レンズは複数個所にピントを合わせられることがメリットとして挙げられます。
ピントの合う距離が複数あることから眼鏡のかけはずしの煩わしさを解消することが期待できます。
単焦点眼内レンズと比較すると眼鏡を使用する必要性が少なくなりますが、必ずしも眼鏡が不要になるわけではなく状況によっては眼鏡やコンタクトレンズが必要となる場合もあります。
注意点
- 多焦点眼内レンズは選定療養となるため、単焦点眼内レンズより手術費用が高くなります。
- コントラスト感度(見え方の質)が低下することがあります。
- 夜間にハロー・グレアを感じることがあります。夜間に車の運転を行う方には適さない場合があります。
選定療養
令和2年4月より、保険適用外であった多焦点眼内レンズを使用する白内障手術が、厚生労働省の定める選定療養の対象となりました。
選定療養とは追加費用(多焦点眼内レンズ費用)を負担することで、保険適用外の治療を保険適用の治療と併せて受けることができる制度です。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明いたします。