低濃度アトロピン点眼(マイオピン点眼)とは
低濃度アトロピン点眼は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の伸展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法の一つです。
シンガポール国立眼科センターでの研究で、軸性近視の進行抑制効果が報告され、国内でも臨床研究が行われています。
最適な濃度(0.01%、0.025%)のアトロピンを配合する事により、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時に副作用を軽減しています。
当院でも、この低濃度アトロピン点眼薬を導入し、小児期の近視進行抑制治療を行っておりますのでご相談ください。
治療の対象となる方
- 12歳以下の学童
- 中等度以下の近視の方
- 3か月ごとの定期通院が可能な方
治療に使う点眼薬
- マイオピン0.01%点眼薬
- マイオピン0.025%点眼薬
シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発された点眼薬です。
1日1回就寝前に点眼していただきます。
薬剤の安全性について
シンガポール国立眼科センターでのアトロピン0.01%点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性については、以下の報告がありました。
- 点眼終了後、目の遠近調節機能の低下、および瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
- アレルギー性結膜炎、および皮膚炎の発生は殆どありませんでした。
- 眼圧に影響を与えるという報告はありませんでした。
- 白内障を発症させるという報告はありませんでした。
- 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
副作用と注意事項について
- 点眼後、約7~8時間、まぶしかったり、ぼやけて見えたりする場合がありますので、就寝前に点眼するようにしてください。
- 各容器(1本・5mL)は両眼用に1ヶ月間の使い切りとなっています。点眼ボトル内の衛生面から、開栓後1か月経過した点眼薬は廃棄して新しいものを使用してください。
- 万が一、異常を感じましたら、点眼を中止し、速やかに受診してください。
- 効果を得るために2年以上の治療継続をおすすめいたします。
- 本治療は近視の進行を抑制する効果は確認されておりますが、すでに生じている近視を治すことや進行を完全に停止させることはできません。
マイオピン点眼治療は自由診療です。そのため他の病気の保険診療は別日での診察となります。健康保険や医療費助成制度は適応されません。
治療のスケジュール
- 初回検査・診察
- 1か月後検査・診察
- 2か月後検査・診察
- 3か月後検査・診察
- 以後、3か月ごとの検査診察
視力や眼軸長の測定と眼の診察を行い治療効果を確認していきます。
治療費用
マイオピン0.01%点眼液 | 1本 | 3,300円(税込) |
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マイオピン0.025%点眼液 | 1本 | 3,800円(税込) |
検査・診察費用 | 3,000円(税込) |